その光を、追いかけて。




怒った顔も泣いた顔も笑った顔も、子どもの頃の柔らかな手のぬくもりも、寒さで赤くした鼻先も、寝ぐせで跳ねた髪も、甘いものを食べてとろけそうな頬も。



みんなみんな、好きだった。

とても好きだった。

大好きだった。

好きで、好きで好きで好きで、仕方がなかった。



君にだけは恋情だとは告げられないくらい、想っていたんだよ。






誰かに君を譲るなんて考えられない。

死を目前にした今でさえ、できない。



悲しくて、辛くて、苦しくて。

そしてとても、愛おしいと想うから。



だけど、どうか。

────笑っていて。



悲しいことがないように。

君の幸せを祈っている。



そしていつか、君が僕との約束を守れず涙する日のことも。

────祈っていたいと、思う。



ああ、だけどその時はきっと、大切な人のそばで。

僕の代わりに抱き締めて、涙をすくってくれる人のそばで泣いてね。






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