ライ麦畑でつかまえて
「ビートルズですね」


思わずかけた言葉に、彼女は小さく「ええ……」と言い「タイトルしか知らないんです」と、そっと付け加え、本を手にとった。


「俺も……です」

殺人犯が読んでいた本。
そんな忌まわしいことを彼女の耳に入れたくはなく、敢えて言葉を濁した。


電車のアナウンス。

電車の速度が遅くなる。


下車しなければ……此処までか……。


だが、また会える。
そんな予感がした。



< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

金木犀のアリア
竹久祐/著

総文字数/83,733

青春・友情233ページ

表紙を見る
LIBERTEーー君に
竹久祐/著

総文字数/97,809

恋愛(純愛)258ページ

表紙を見る
風の詩ーー君に届け
竹久祐/著

総文字数/131,898

青春・友情372ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop