義兄(あに)と悪魔と私
頭の中でけたたましく鳴り響く警報音。
それ以上先に行ってはいけない、と本能が告げている。
「お願い、今日だけは……」
「……悪いけど、無理」
しかし、私の最後の懇願はあまりにも容易く黙殺された。
彼の愛撫は更に深く、激しくなる。
理性が弾け飛ぶ瞬間。そこには、言葉にできないほどの快感があった。
声を殺して堪え忍ぶ私には、もはや何と戦っているのかも分からない。
ただ、そこにあるものを求めて必死に手を伸ばす。
欲しい。もっと、もっと。
彼の全てを、私のものにしたい。
こんな感情を、なんと言うんだろう。