地図に無いパン屋
アラーム:♬~
いつもより早いアラーム音で目を覚ます。
眠い目をこすりながら、支度。

階下へ行くと、母親とリビングで鉢合わせした。
‹おはよう。珍しいじゃない、こんなに早く起きてくるなんて›

面倒だ。
母親とはあまり顔も合さないし、会話すら滅多にない。
『たまには…』

母親は軽く笑いつつ、玄関に向かう。
‹じゃあ、行ってきます。少し遅くなるかも知れないから宜しくね›
背中越しにそう言うと、母親は家を後にした。

嫌いじゃないけど、たまに顔を見合すとどこか緊張する。
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