蔵の中
戦時中の様々な悲劇を思い浮かべ、祈ること事態が難しくなっている。
青い眼の人形の辿った軌跡も、風化していく。
お婆様は如何様な思いで、この人形を守っていたのか──。
蔵の奥底、幾重にも厳重に布に巻かれ鍵の掛かった扉の中に納められていた。
薄明かりを照らし、対の市松人形を探し、蔵の中を歩く。
青い眼の人形が、見つめる視点の先に目を凝らす。
かつて海を渡り、遥かの自由の国へ祈りを届けた黒髪の和装姿の人形は、対の青い眼の人形をじっと、見つめるように佇んでいた。
物言わぬ動かぬ人形。
それに託した人の思いと願いを、その身に宿し向かい合う友好の架け橋。
流された幾万幾千幾億の涙と、失われた命を憂い、微かに優しく、笑みを浮かべる。
巡る時、巡る季節、巡る年。
この平和が、ずっと続きますように。
対の人形を、交互に見つめ、手を合わせる。
双方の人形の目から、微かに光るものが零れ落ちた気がした。
青い眼の人形の辿った軌跡も、風化していく。
お婆様は如何様な思いで、この人形を守っていたのか──。
蔵の奥底、幾重にも厳重に布に巻かれ鍵の掛かった扉の中に納められていた。
薄明かりを照らし、対の市松人形を探し、蔵の中を歩く。
青い眼の人形が、見つめる視点の先に目を凝らす。
かつて海を渡り、遥かの自由の国へ祈りを届けた黒髪の和装姿の人形は、対の青い眼の人形をじっと、見つめるように佇んでいた。
物言わぬ動かぬ人形。
それに託した人の思いと願いを、その身に宿し向かい合う友好の架け橋。
流された幾万幾千幾億の涙と、失われた命を憂い、微かに優しく、笑みを浮かべる。
巡る時、巡る季節、巡る年。
この平和が、ずっと続きますように。
対の人形を、交互に見つめ、手を合わせる。
双方の人形の目から、微かに光るものが零れ落ちた気がした。
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あの頃
僕はショパンが
大嫌いだった
ショパンを弾くたび
自分の才能の無さや
自分の技量の限界を
思い知らされた
音を立て崩れていく自信
自分の存在価値さえも
わからなくなっていた
『鯨魚取り
海や死にする
山や死にする死ぬれこそ
海は潮干て
山は枯れすれ』
万葉集の
無常を詠んだ歌
人の命は儚くて、
誰にも
気づいてもらえないような
僅かな雨雫のように
草木を潤すことさえ
できないかもしれない
けれど季節は巡り、
生きとし生ける全てに
雨は降り注ぐ
ピアノの音が
切なくて悲しくて
空が泣いているのか
僕が泣いているのか
わからない
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「雨に似ている」→「金木犀のアリア」
→「風は囁くー君と輝きたいから」
→「金木犀のエチュード」
→「風の詩ー君に届け」
→「ROSE ウィーン×横浜」
に続く
✴✴ーー【雨に似ている】シリーズ続編ーー✴✴
ウィーン×横浜
詩月が留学して早1年半弱。
郁子は腱鞘炎を患っていた。
加えて、
目指していたコンクールは
新型ウィルス拡大により
開催1ヶ月前にして突然の延期。
「追いかけてこい」
詩月は自分自身が
郁子に言った言葉の重みを噛みしめていた。
✴✴✴順番に読まなくても、
どのタイトル編から読んでいただいても
内容はわかるようにしています
今シリーズは
高校2年生だった詩月も
大学生になり、
ウィーン留学して1年半
という設定から、話が始まります。
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作品名
【風の詩】
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理久
「伝説って何だよ?」
詩月
「うちの学園にあるんだって」
郁子
「神話のオルフェウスに似てるのよ」
安坂
「裏門の像がね」
詩月
「BGMはJupiterなんだ」
郁子
「えっ、ロマンスなのに?」
理久
「いいんじゃないか?」
安坂
「万葉集の防人の歌を思い出すよね」
郁子
「ヴァイオリンロマンスでしょ!?」
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◆周桜詩月(音大1年)
Nフィル交響楽団、
新進ソロヴァイオリニスト
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【風の詩】
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★レビュー、ありがとうございます
*藍里まめ 様
*aona 様
*愁檎 様
*熊川なおたか 様
*立花いずみ 様
*椎名ゆず 様
★感想ありがとうございます
*椎名ゆず 様
*楼音りる 様
*Piine 様
*藍里まめ 様
*aona 様
*愁檎 様
*熊川なおたか 様
*森小枝 様
.:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜
★ポエムありがとうございます
*aona様
この作品を見ている人にオススメ
読み込み中…


