昨日の友は今日の恋人!?~甘い視線で迫られて~
―――――
―――
「どうなってるんだと思う?」

『どうって……』


私は動揺のあまり、桜のデートの邪魔をしてる。

家へ帰ってすぐ、彼女のスマホに連絡したのだ。


「奏多がイカレた」

桜が耳元でクスクス笑う。

『紫乃を誘ったからって、頭がおかしくなったことにはならないでしょ』

「や、おかしいって。あいつ、私のこと『夢見る馬鹿』みたいに見てたのに。デートなんて今更……」

『断ったんじゃないでしょうね?』

「それが断ったら帰さないって訳の分からん脅しを受けて」


―― そう、あの男は言ったのだ。

うん、って返事以外は受け付けない。断るんなら今日結果を出して貰うけど、って。

結果って何? ってパニクれば、顔をズイッと近付けて、テイクアウトに決まってるだろう、と囁かれた。


これがロックオン状態の奴なのかと、 今まで見たことの無いような奏多の毒気に当てられた私は、逃げることもままならず。
< 10 / 25 >

この作品をシェア

pagetop