ミステリー
『そうだったの。』

理代も、泣いている。


光くん‥入院中、淋しかったんだろう。


『俺、理代とずっと一緒に過ごしたいけど、俺はもう行かないといけない。
だから、理代には俺の分まで、
幸せになって欲しい』


『光く‥ん‥』

理代が泣きながら呼ぶ。


『ありがとう、理代。
じゃあね。


理代とすごせてよかったよ、
ありがとう』


光の体が、虹色の美しい光に包まれ、
次の瞬間光は見えなくなった。



『光くん‥
一緒に過ごせて、楽しかったよ‥
光くんが、
私が一歩進むのを
手助けしてくれたね。


本当ありがとう…』




理代はつぶやいた。




光のためにも、光の分も、精一杯生きていき、精一杯幸せを守ろうー。



理代は光と別れてから数週間後、学校のミステリー研究部へ見学に行った。

ミステリー小説にはあんまり詳しくないが、その前の日に見た、西野圭子の小説が原作の、単発ミステリードラマがきっかけで、
ミステリーって面白いのかも、と思ったのだ。


ミステリー研究部の人たちは、見学に来た理代を歓迎してくれたし、理代は見学に行ったその日に入部した。ことに、
同じ学年の、鳴海ゆみ、下山愛果、岩下ジュン、
ツウィ、ヨンアとナヨン〔台湾、韓国からの留学生で、ZORDのいずみちゃんとは違ったタイプの可愛い子で足もすらっと長くきれい〕とは、
、すぐに、前からの友達であるかのように
めっっちゃ、仲良くなった。

理代は、少しずつでも
社交性とか社会性が身についていけると、
いいなあ、と感じた。


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