ダイヤモンドの未来
そして、夜。

先生からの着信。

出ないわけにはいかない。


「もしもし、今大丈夫?」

「はい。」

「酔ってない?」
笑いを含んだ声で言われた。

「すみませんでした。」

「謝ることはないよ。可愛い酔っ払いだったよ。覚えてない?」

「…はい。」

「電話したこと自体も?」

「…はい。」

もう、なんとか、埋もれてしまいたい。

「今度、飲もうな。」

「えーと…」

「顔が見たかった。」

「…」

「ははっ、楽しみにしてるよ。」

「機会があれば…」

「じゃ、おやすみ。」

「おやすみなさい。」


足が治って飲んだお酒はとても楽しかったけど、飲むならごくわずかにしようと心に誓った。

< 177 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop