ダイヤモンドの未来
熱が37度ちょうどだったので、入浴許可も出て、さっぱりして、さらに元気になった気がする。

そして、目の前には美味しそうなシチュー。

私は座っているだけで何もせず、というかさせてもらえず。

「料理、上手なんですね。」

「イヤ、炒めものとカレーくらいしか作れないけど、さすがにカレーはないだろうと思って、ルーだけ変えた。箱の裏を見ればなんとか作れるし。」

「美味しいです。」

「よかった。無理しないで食べて。」

「はい。」

人に作ってもらったご飯というだけでも美味しいのに、具合悪いときに、大好きな人にご飯を作ってもらえるなんて、ありがたすぎる。

結局、片付けもさせてもらえず、ソファで座ってた。

「コーヒーはどうかと思うから、コーヒー牛乳な。」

先生が渡してくれたカップには甘いコーヒー牛乳。もう、ホントにありがたすぎる。
ひとりだったら、とりあえずパンとイオン飲料だろう。こんな優しさに慣れるのも怖いけど、具合が悪いから、今だけはと自分を許す。

「さすがにまだ眠くない?」

「はい、さすがに。」

「テレビでも見るか?」

「あの、だいぶ元気になったので、私ソファで大丈夫ですよ。先生、明けだし。」

押し切れるはずはないと思いつつ、言ってはみるものの、

「病人はベッド。9時消灯で。」

ですよね…。
言い切ってくれる先生に、甘えさせてもらうことにした。

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