ダイヤモンドの未来
6階でエレベーターを出て、入り口から外に出ると、

「きれいー」
「寒いー」

の女子高生の声に、すべてを持っていかれたけれど、本当に、綺麗で寒かった。

「サポーターしてるよな?」

「はい。」

「医者の指示を守ってて偉いな。」

オペ後1ヶ月くらいはつけていてと言われたサポーター。

「さすがに、あの格好は寒いだろ。」

と視線の先には女子高生の生足。

「私の格好も、…ぽくなくてすみません。」

デートって改まっていうのは恥ずかしい。

「いや、足が大事だし、指示してるの俺だし。高校生の患者には、サポーターしてるとスカート履けないって文句言われるからな。無理しない。ブルーのセーターも可愛いよ。忘年会で着てたよな?」

「はい。」

言いたいことは伝わっていたらしく、足のことをどう説明しようという気苦労がないことは本当にありがたい。

イルミネーションはモコモコの子ども達を連れた家族連れも多くて、動物や雪だるまなど、可愛いイルミネーションも多くて、色とりどりだった。寒い、澄んだ空気の中、輝くイルミネーションを先生の隣で歩いて見ている。

こんなにも早く、一緒に見られるなんて、光がにじみそうになるのをこらえて、ゆっくりと歩いた。

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