ダイヤモンドの未来
最後の患者さんの診察が終わると入れ替わりに、師長が戻ってきた。

「先生、さっきはありがとうございました。」

「いえ。」

「泉川さんのため?」

やっぱりばれたか。行動したことに後悔はないが、外来に戻って冷静になると、ばれたかと覚悟はしていた。何度か外来で診ていたときにも師長がいたし。それにしても、ナースの勘とネットワークは恐ろしい。

「まぁ。内密でお願いしますね。」

と作った笑顔で念押ししておく。

「あと、ちょっとだからいいじゃない。」

3月には、病院を移動する俺のことを言っているらしいが。

「立つ鳥、跡を濁さずですから。濁った水には残したくないんで。」

香江が色々言われないようにしておきたい。

「はいはい、ごちそうさま。」

ばれてしまった(ばらしてしまった?)真美や蒼介、薬局長や師長は、信頼できるから、むしろ味方になってくれるだろう。

まだまだ遠慮がちな香江。

院内恋愛、味方がいるのは心強いかもしれない。
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