天才に恋をした
「俺には関係ないから、言わなかったのか!?」


苗は困ったように言った。


「真咲くんは、留学しないから…」



胸が押しつぶされそうだった。


「お前は、俺のこと何も思ってないのか…!?」


自分で自分が抑えられない。



「俺がお前を好きだって気持ちは、どうだっていいのか!?」



言いながら、

分かっていた。


そうなんだ。

苗は俺を何とも思っていない。



俺が、乃愛を厄介者アツカイしたみたいに。


沙織を都合のいい女アツカイしたみたいに。



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