天才に恋をした
25-3
「戻れよ」
俺は手を離した。
「早く」
苗が、体を揺らした。
「真咲くんは?」
「いいから、行けよ」
明るい場所に戻りたくない。
「陸玖が心配するだろ」
「りっくん?」
「お前、陸玖には留学のこと言ったのか?」
苗は首を横に振った。
「可哀相だろ。友達なのに。言ってやれよ」
「友達…?」
「陸玖は、お前の友達」
「分かった」
苗が去っていった。
終わった。
何もかも。
俺は手を離した。
「早く」
苗が、体を揺らした。
「真咲くんは?」
「いいから、行けよ」
明るい場所に戻りたくない。
「陸玖が心配するだろ」
「りっくん?」
「お前、陸玖には留学のこと言ったのか?」
苗は首を横に振った。
「可哀相だろ。友達なのに。言ってやれよ」
「友達…?」
「陸玖は、お前の友達」
「分かった」
苗が去っていった。
終わった。
何もかも。