天才に恋をした
そこはジゴク

26-1

親父は淡々と、話し始めた。


―うちの会社がアジア進出する関係で、

アジアの農村部に詳しい人間を紹介してもらったんだ。

それが、宮崎教授。

今は教授じゃないけどね。

宮崎先生とは農学試験場で会った。


そこに、女の子が入ってきた。

娘だって紹介された。



『ずいぶん小さいお子さんがいるんだなぁ』と思った。


『おいくつですか?』と聞いたら先生は、娘に聞いた。



『君はいくつなの?』って。



そうなんだ。

先生は娘の年齢を知らなかった。


女の子が答えた。

『15歳』


真咲と同じ歳じゃないか。

どう見ても小さすぎる。

髪や顔色を見て、これは栄養失調だと思った―
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