天才に恋をした

26-3


何も言わずに、電話を切った。


たった数時間で、何歳もトシ取った気がする。



ー迎えに行くのー


苗は言ってた。


夢見てるんだと思ってた。

ボーッとしてると思ってた。



違ったんだ。



あいつは、

幸せなんかいらないし、

夢なんか見ない。



ずっと現実だけを見てたんだ。


夢見てたのは、俺の方だった。
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