天才に恋をした
「苗のことだよ!」


陸玖の動きが止まった。

「なに?…え?」


「分かるだろ!苗のことだよっ!」


陸玖は困惑した顔をして固まった。


「苗ちゃんが…なに?」

「分かれよ!誰が分からなくてもお前だけは分かれよ!」



しばらくして、陸玖が混乱した声で言った。


「だって…妹だろ」



もう八つ当たりだった。

「そんなワケねーだろ!いくらウチの親がバカだからって、そんなの引き取るかよ!」


どうして、こうなった?

分からない。

サッカーさえやってれば幸せだったのに。

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