天才に恋をした
「真咲はサッカー辞めたらダメだよ」

「…だけど」

「苗ちゃんと留学するから辞めるんでしょ?」


よく分かるな、コイツ。




「留学は浪人したっていいじゃん。だけど、あのチームでサッカーやれるのは今だけだよ」


すごい事を簡単に言うな…。


「そんな中途半端なことしたくねーし」

「やれる範囲で一生懸命やれば?パートタイマー選手でいいじゃんか」



あ、ありえねぇ。



「それはねーわ。誰も納得しねーよ!」

「なんで?みんな短時間だっていいから、真咲にいて欲しいと思うよ?」



テンネン…

天然の発想すげー。


「それは無理だろ…」



角田は心底不思議そうな声で言った。


「うちの店だって、ベテラン社員が出産したら『パートでもいいから』って居てもらうけどなぁ」
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