天才に恋をした

33-2

―お父さんとヤラダム王国に行くことになった。

引っ越しの前、たくさんの人がお父さんの所に来て、

「行っちゃいけない」って言ったの。


でもお父さんは、いつも「自分たちが行く地域は安全だし、国王が守ってくれるから」って言ってた。


ヤラダムに着いたら、すごく豪華な宮殿に3日間いたけど、爆撃の音が何度もした。

お父さんは、「国中で一番危険な場所でもこれだけ安全なんだから、これから行く場所はもっと安全だ」って喜んでた。



村は車で8時間移動して、そこから歩いて一日かかる所。

すごく大変だったけど、お父さんは「こんなに首都から離れてるんだから、戦闘地域になりようがない」って満足そうだった。



私たちが着いた村は、海に面した小さな半島の村だった。

途中の景色は砂漠ばかりで、つまらなかったけど、この村の辺りは沢山の木が生えてた―
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