天才に恋をした
バケモノ集団

36-1

「お先に失礼します!」

「おう」

渋い顔の監督に挨拶して、シャワー室に直行。

髪を乾かす間もなく、駅まで走る。



とっくに苗は予備校に向かってる。



リーグブルの入学試験はさ来年。

高校を卒業したら、すぐリーグブルに行く。


日本からリーグブルの大学へは直接受験できない。

一年間の基礎教育を現地で受けることになる。



その代わり大学は三年制。

春にはどこの学校へ行くか結果が出るはずだった。



それまでに学校の成績を上げ、文学書や哲学書も読んでおかないといけない。



寝てた…

見覚えのある光景…



ヤバいっ!

ここで降りるんだ!


ドアに挟まりながら、どうにか駅に降りた。




駅から五分もない予備校に走りこむ。

俺のクラスは、六階。




苗とは教室が違う。

学力ごとに教室が上の階に上がっていく。



壁には、学力優秀者が張り出されている。



「おめでとう~宮崎苗さん~当校の生徒が全国一位に輝きました!」




苗のいる最上階は、10階。

とんでもなく遠い。
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