天才に恋をした
親父はそれに構わず叫んだ。

「苗ちゃん!苗ちゃんの気持ちは!?」


全員の視線が苗に注がれた。

俺も祈るような気持ちで苗を見た。



突然パスが回ってきた苗は、目を見張ったまま斜め下に顔を動かした。



「ほら!苗ちゃんは承知してないぞ!」

「苗!どっちだよ!」




宮崎先生が、のんびりした調子で聞いた。

「あなたは、いかが致しますか?」



苗は、答えた。



「あ…そうします」
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