天才に恋をした

6-3

ドンドンドンッ!!!



怒りに任せて階段を上り、自分の部屋のドアを閉めた。

閉めた勢いで、家が揺れた。



ベッドに寝転がり、布団をかぶったけど夜中に何度も目が覚めた。

そのたびに

「幸せなんかいらない」

って言った、苗の姿が目に浮かんだ。



あのバカ!

ボケ!!

ムカつく!!

アイツ、マジで最悪!!




だけど、何度目かに目覚めた時は違った。


-幸せなんかいらない-



「…ムカつく」


なぜか泣きそうになった。
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