天才に恋をした
アクリョウとの対決

7-1

帰りの学活が終わって、部室に向かおうとしたら陸玖とぶつかった。

「なんだよ。部活行かねーの?」


陸玖が聞いていなかったように、深刻な顔で言った。

「乃愛さ、アレなに?」

「なにって…」

「ここ最近、休み時間のたびにうちの教室に来て、宮崎さんに付きっきりだし、今も一緒に帰ったよ」

「えっ…」

「他の女子ともしゃべらせないしさ」

「は?どういうこと?」

「他の女子が話そうとするだろ、そうすると乃愛が無表情で一切話に関わらないから、気まずくなって離れていくんだよ」


ムカッときた途端、手がズキッときた。

もう関わりたくねぇ。

関わっても…どうせ。



「好きにさせとけよ」

「いや、あれはカンペキおかしいよ」

「苗が…!」


つい声が大きくなった。


ほっとけ。

ほっとけ、俺。


「苗が決めたらいいことなんだよ」
< 28 / 276 >

この作品をシェア

pagetop