天才に恋をした
え…コイツに聞くの?



「答えるまで、えっらい時間かかるぜ?」

いちおう忠告する。



「いいんだよ。宮崎さんのペースで答えてくれれば」

陸玖は苗を見て、答えをうながした。

苗はぎこちない動きで、ペンを置くと陸玖の方を向いた。



「どこで英語を覚えたの?」

もう一度、陸玖が聞く。



「インドと、ちょっとだけイギリス」



小さな声で苗が答えた。


「イギリス!?」

苗がうなずく。

陸玖が言った。


「お父さんが、植物学の研究してるって言ってたもんね」

「え…」

「植物学の本場だよ」



陸玖の言葉に、苗も熱心にうなずく。




そうじゃなくて、




そういうことを言いたいんじゃなくて、

陸玖がそこまで聞き出してるコトに、びっくりなんだけど。
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