天才に恋をした
角田と部室に向かった。

練習は明日からだけど、ランニングと筋トレだけは続けている。

「手ぇどお?」

「来週、ギブス外すって」

「良かったじゃん!」

「ようやくだよ…」



階段を勢いよく降りた。



「きゃっ…」

「わ!」



あっぶねー!

ぶつかるとこだった!


「ワルい」

「あ…」


驚いたような目をした女の子が、俺を見てさらに目を大きくした。

「あ…あの!真咲先輩!」


え…急になんだ。

俺の名前、知ってるみたいだし。



角田が言った。

「おお?真咲ちゃ~ん。先に行ってるからね~」

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