天才に恋をした
壁に、4人家族の絵。

角田が、絵を指差した。


「これ宮崎さんだ」

「そう」

「じゃあ、これが真咲だ」

「そう」


えっ…!



「こっちは真咲の親?」

「そう」



マジか…

確かにうちの両親に似てる。

そのそばに、サッカーボールを足元に置いた男の子がいる。



「宮崎さん、ちょっと真咲たちと離して描いたんだね」


苗は首をかしげた。

確かに、二人分のスペースが開いている。


すると苗は言った。

「真咲くんがね、ボールをパスするところ」

「なるほどね!」

角田が笑った。



俺は…笑えない。


俺は…胸が熱くなった。


泣きそうになった。



絵の上には、こう書かれてあった。
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