天才に恋をした
親父は早速、コーヒーを口にした。

本当は甘いモノなんか、そんなに好きじゃないんだ。



「宮崎教授は、苗ちゃんと一緒に世界中の農園を渡り歩いてたからなぁ。体育なんてあんまりやってないでしょ?」


苗がうなずく。


「運動だけじゃねーよ。中間テスト、ヤバかったって」

「それは、お前さんが教えてやんなさいよ」

「俺!?」

「まぁ、あの学校に編入できたんだから、すぐ追いつけるだろ」



陸玖から聞いた話によると、

「日本語もヤバい…」

そんなレベルらしい。


本当によく編入できたな。


苗は物珍しい顔をして、ケーキを口に運ぶ。

コイツは自分の話をされてても、一切かまわない。

マジで犬か猫だ。

うーん。食べてる様子は鳥だな。



「お前、どうやって編入テストの勉強したの?」



苗が顔を上げて、考える様子をした。




一分経過。



二分経過。





「遅ええ!」

「苗ちゃん、ケーキお代わりあるよ~」

「いただきます」

「無視か、オイ」



…マジでイラつく。


< 8 / 276 >

この作品をシェア

pagetop