天才に恋をした
親父が兄貴に言う。

「お前だって、結婚する時どんだけ泣くか!覚悟しとけよっ」

「覚悟も何も。今は嫁に行かないのを心配する時代だよ」


兄貴の娘は、2人とも男勝りだ。

義姉が言う。

「あの子達だって、年頃になれば目覚めるよ」

「目覚めるかなぁ」

兄貴が首をひねる。



女性陣が笑う。

「ダメねぇ」

「ねぇ」

「苗ちゃんだって、来た時よりずうっと女らしくなったよ」

「ええっ?どこが?」

「りっくんと付き合えばいいのに」

「やだっ!」

と親父が叫んだ。



「なんで~?りっくん、最高じゃない」

「陸だろうと海だろうとイヤだ!」



「…俺、寝る」

と立ち上がった。
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