【短編】真夜中のサンキャッチャー
課の懇親会なのに、何故隣の小井川さんが来てるのかは分からないけれど、今までも他メンバーが混じることもあったし。


「小井川さんってバドミントンやってたんですか?」
「ああ。高校の時に。弱小で県大会初戦敗退だったけど」


他の女の子も、未婚者も既婚者も問わず、小井川さんに群がっている。


珍客だから?
それとも……前から狙っていたから?


私は遠巻きに、テラス席の隅でアイスティを飲んでいた。気にならないって言ったら嘘になる。かといってガツガツと小井川さんのそばに行く勇気もなかった。


地味で目立たなくて、美人でもない私。仕事も出来るってほどのキャリアもなく。



< 3 / 15 >

この作品をシェア

pagetop