そんな恋もありですか?
守田はなんだよ、
と、じろりと一瞥をして
再び作り笑顔を浮かべながら、
厨房へと戻っていった。
あゆは、
追いかけて厨房へ戻ると、
「シェフ今のアレ、さっきの私がこがしたのですよね」
「ああ、前から新メニューとして考えていたものだ。
あれなら少し焦げていても、
逆に香ばしさとして旨味となる」
「すごいです!
やっぱりさすがですねシェフ!」
守田は大きくため息をつくと、
「そんなことより早くこれ盛り付けて運んで来い、
お客様がお待ちだ」
「は、はい!」
(さっきのお客様への営業スマイルは何処へ行ったの?怖いよぉ)
あゆは、
慣れてきたものの、
まだまだおぼつかない 手つきで、
プレートにデコレーションしながら涙目になっていた。