女子力高めなはずなのに
「さくらー!男は見た目じゃないんだぞー」

「エエッ?」

5歳児が何を偉そうに!

「そうだよなっ、健太」

ムムッ!

男同士でタッグを組んだな!

ニヤッと笑う健太。

「さくらもカタヒジ張らないでいられる男を早く見つけろよー」

なんですとっ!

「……ケーンーターッ!なまいきーっ!」

立ち上がって勢いよく健太を追いかけた。

キャアキャア言って必死になって逃げる健太。

結局追いつけずに逃げられた……。

息が切れて年を思い知る。

チッ!健康優良児め!


それにしても、5歳児の言う言葉なのに絶妙。

肩ひじ張らない男なんて……。

そんなの井川さんしか思い浮かばない。

井川さんと一緒にいると普通に自然な私でいられる。

それなのに。

それなのに、井川さんは私の知らない誰かを想っている。

……この気持ち、どうしたらいいの。

せっかくお兄ちゃんが思いっきり笑わせてくれたのに、また苦しくなってしまった。
< 154 / 325 >

この作品をシェア

pagetop