女子力高めなはずなのに
いい加減本気を出そうかな。っていうか普通にしようかな。

業務課長にされたからって、いつまでもヨレヨレにしている自分は、いい加減ふて腐れすぎだと自覚していた。ガキじゃあるまいし。

そもそもふて腐れていたのは、営業だった時、業務課はろくに仕事をしてないっていう悪いイメージがあったからだ。

でも、この仕事は縁の下の力持ちってヤツで、業務課がなければ営業の仕事は滞ってしまう。営業の時多少成績が良かったからって、俺はいい気になっていたと反省させられた。

それに営業の時は知らなかったが、業務課の女の子たちはよく働いている。

俺自身、彼女たちにはかなり支えられている。

そういえば、野村さんが「さくらちゃん、ちゃんと看病に行きました?」と聞いてきた。あれは君のさしがねだったのか。野村さん、彼女を俺の元に派遣してくれるなんて、俺が嘘をついたことは許してくれたのかな?

それにしても、何?その何かあっただろ的な興味津々な顔。あんなひどい風邪をひいてた俺に何ができたと言うんだ!

「えー?何もしなかったんですか?根性ないなー。そんなんじゃだめですよ!ちょっと強引なくらいでいいんですよ。嫌よ嫌よも好きの内って言うでしょ!」

嫌はダメだろ!野村さん、辛辣というよりオッサンか?

「課長、貸しイチですよ?」

「……何で返せばいい?」

「んー、じゃあ缶ジュース1本で!」

「……え?」

そんなんでいいの!?
野村さん、君の中のオッサンと純粋のアンバランスさが俺にはよく分からない。

そういう君を理解してくれる素敵な男と出会えるといいね、と心から思った。

そんな野村さんも大事な部下の一人なわけで。
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