女子力高めなはずなのに
どうでもよくなって、俺は投げやりになった。俺も分かりやすい大バカだ。

久しぶりに吸う煙草は、一年前と全く変わらなかった。やめていたなんて思えないくらい煙草を吸う感覚は同じだった。

そもそも煙草をやめていた理由だって、営業がいる喫煙室行きたくない、なんていうふて腐れた発想だったし。自分でもここまでガキだとは思わなかった。

そんなどうしようもない俺にさえ、中野さくらは元気づけようと声をかけてきた。

君は優しい子だね。あんな抱き締めたりするセクハラなオッサンでも慰めようとするなんて。でも、話していたらあっという間に楽しくなって、安らいで温かくなった。

やっぱり、俺にとって彼女は幸せそのものなんだ。でも、その幸せは手に入らない。そう思ったら、苦しくて胸に痛みが走った。

そして、せっかく中野さくらと楽しく話をしていたのに、槇村が割り込んできた。でも、君はコイツがいいんだろ?だから俺は引くよ。

一瞬で心が冷え込んで、その場を去った。

どうやら業務課の女の子の内、少なくとも2人は槇村に食われている。しかも、1人はコントロール下に置かれているようだった。

あんな奴の言いなりになるなんて。

あの日だって、猫なで声で「課長、お茶入れましょうか?」とか「肩揉みましょうか?」とかまとわりついてきて、「ちょっと、触んないでくんない?」と追い返した。
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