女子力高めなはずなのに
お父さんのお見舞いに行くことをお兄ちゃんに伝えたら、お兄ちゃんも病院に行くと言い出した。

「お兄ちゃんも来るって」

「いいんじゃない、別に」

井川さんはまた余裕な表情をしている。

あの時、お兄ちゃんと何を話したんだろう。

井川さんに聞いても、「それは秘密」と言って教えてくれなかった。

お兄ちゃんも教えてくれなかったし、二人して秘密にするなんて。

でも、賭けのことだけは教えてくれた。

私がどっちの味方をするか。

何も考えずに井川さんに走り寄った私……。

そんな私を抱き締めたかった言われて、また照れた。


病院に向かう道すがら、手を繋いで歩いていたら、井川さんが突然立ち止まった。

「俺、お前の親父に娘さんを下さいって言うべきなのかな?それとも兄貴に妹さんを下さいって言うべきだろうか?」

「……へっ?……エエッ!な、何いきなり!」

急に何を言ってるの……?

突拍子もなくて呆然と目を丸くして見上げた。

驚く私をよそに井川さんはフッツーの表情で、私を見降ろした。

「付き合う以上は、真剣なお付き合いをさせてもらうつもりだよ」

「……」

「俺は結婚を前提にお付き合いしてるつもりだけど」

「えっ?……エエッ!」

結婚を前提だなんて……。

そんな言葉が出てくるとは思いもしなくて、もっと目を丸くする。
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