女子力高めなはずなのに
……でも、他に座るところもない。

ちょうど坂田さんの正面の席だし、まあいっか。

今日は坂田さんの送別会だから、坂田さんとお話がしたいと思っていた。

色白やせ眼鏡の隣というのは腑に落ちないが、仕方がない。

「席が空いていて良かったですね」

にっこり笑う色白やせ眼鏡。

「椅子取りゲームじゃないんだから、どこかは必ず空いてるの!」

「ああ、それもそうですね。あははっ」

また、その間の抜けた笑顔。

「もう!アンタまたコップひっくり返したりしないでよね」

「はい、気を付けます」

私たちの様子をみて、坂田さんがにこにこして言った。

「なんか、息ぴったりじゃない」

えー!!

やめてっ、こんな奴と息ぴったりなんて!

「そうですかー?」

嬉しそうな色白やせ眼鏡。

「そうですかー?じゃないっ!もうっ坂田さんも、変なこと言わないでくださいよ」

「そう?本当にぴったりだよ」

「いやいや!!そんなことないですから!」

私が勢いよく首を振ると、坂田さんも色白やせ眼鏡と一緒になって楽しそうに笑った。
< 39 / 325 >

この作品をシェア

pagetop