女子力高めなはずなのに
「ご実家は何農家なんですか?」

色白やせ眼鏡が会話に入ってきた。

「うちは果物なんだよ。主にさくらんぼだね」

「急に農業なんて、大変でしょう?」

「まあ、兄貴が先に始めてるからね。最初は兄貴の手伝いから入る感じかな?」

そういえば、坂田さんの実家って東北だったな。確かに果物とか有名だったかも。

「もしかして坂田さん、方言とか喋れるんですか?」

「そりゃもちろん」

「いつもは標準語ですよね?」

「方言で喋ると何言ってるかわからないよ、きっと」

「えー?聞いてみたいなー」

「おしぇでけっか」

「???」

「教えてあげようかって言ったの。ほら、わかんないでしょ?」

「んー、確かにわかんない!でも、方言が喋れるなんて羨ましいなー。なんかバイリンガルみたいで」

「あ!いーねー、その表現!」

どこかの方言はもちろん、英語だって喋れない私。本当に羨ましい!

「本当に教えてくださいよー」

「じゃあ、特別授業だね」
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