キャッチ・ミー ~私のハートをつかまえて~
好きなファッションスタイル、「これいい」と思ったインテリア。
“ガーリーメイク”っていうのを私がすると、若作りし過ぎて痛い結果になりそうだけど、この赤いリップグロスの色と照り具合は好き。
他にも、オシャレだなと思った雑貨、という具合に、とにかく自分が「好き」とか「いい」と思ったら、そのページやその部分を切り取って、買ったノートにペタペタと貼った。

それから、独身の頃見た、丘の上にポツンと建つ、海が見える小さなカントリーコテージの写真を脳裏に思い出しながら、ノートにスケッチした。
コテージの外壁は真っ白がいい。
わらみたいな屋根で、中には暖炉があって、小ぢんまりとしてて・・・。
と自分なりにイメージを膨らませながら描く作業は、とても楽しい。

海が見える家。マンションでもいい。
笑顔の写真と絵を飾りたいから、壁に穴を開けてもいいこと。
自由に改装ができればなおいい。
と、自分が住みたい家のイメージをスケッチすると、ますますワクワクしてきた。

カフェを開きたいなぁ。
ふらりと立ち寄れる、おうちみたいなカフェがいい。
だから規模は小さめ。
居心地よくて、一杯のコーヒーにホッと一息つけるような。
ドアを開けると、焼きたてのお菓子の香りがふんわり漂ってきて・・・。

子どもを幼稚園・・小学校でもいいけど、とにかく子どもを送った後、4・5人のママさんがコーヒーや紅茶を飲みながら、中にはケーキを食べながら、おしゃべりをしている姿や、リタイアしたおじいさんが、コーヒーをおともに新聞を読んでいる姿が鮮明に脳裏に浮かんだ私は、それらもノートにスケッチした。

冬場は暖炉とキャンドルの灯りが似合うこと。
テーブルには赤い花をチョコンと飾って・・・じゃあ赤をアクセントにする?
適度なボリュームでかける音楽は、どんなジャンルにしようか。
お店の一画には、施設の子どもたちが創った作品や絵を展示販売するのもいいんじゃない?

私は、次々と浮かぶアイデアも、そのノートに書いていった。

カフェを開くのに、必要な資格ってあるのかしら。調べてみよう。
毎日じゃなくていい。気ままにお店を開いて、好きなお菓子を作る生活。
ランチタイムは軽食も作ろうかなぁ。
接客は・・・苦手だから、他の人に任せる。
もちろん、女の人。
といったことまでノートに書いた。
「無形から有形に」の精神、というか、書くことで、それが実現に近づくような気がしたから。

そして、書いたり描くことがとても楽しくて、ワクワクするから。

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