むせかえるよな倉庫の片隅で


「はあ……」


そんなこと考えててもしょうがない。


誰だって働いていれば少しは我慢をしているのだし、この香りたちみたいな、甘くて刺激的でとろけるような毎日を送っている人なんて、ごく少数だろう。


毎日毎日、『何かいいことないかなあ』って考えてるのは、きっと私だけじゃないから。


「がんばれ、自分!」


私はもう一度、箱に手をのばす。

側面に軍手越しの爪を引っかけるようにして、いっぱいに伸ばした腕で、箱をひっぱった。


そのとき。


「ちょっと待て!」


そんな声が聞こえて、思わず手を離して振り返る。


そこにはセンター長がいて、ヘルメットを外した姿でこちらをにらんでいた。


いったい、何?


首をかしげた瞬間、センター長の長い腕が、まるで飛ぶようにこちらに向かってのばされた。


「危ないっ!」


一瞬、何が起きているのかわからなかった。


彼がいきなり近づいてきたと思ったら、私は棚の下段に押し込まれた。


箱が積まれた隙間に押し込まれ、下に敷いていたパレットに足をひっかけて転びそうになったのをなんとかこらえると、ドン!と背中を壁にしたたかに打ちつけた。




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