むせかえるよな倉庫の片隅で
立ち尽くす私を置いて、ライターのオイルの箱を持ち上げ、去っていこうとするセンター長。
その作業着をつまんでしまったのは、無意識だった。
「……なに?」
「あ、あの……」
つばを飲み込むと、ごくりと喉が鳴った。
「せ、背中の湿布……貼らせてください」
私が言うと、センター長は一瞬黙ってしまった。
唐突だった?
恥ずかしかったけど、勇気を出して見上げたセンター長の顔が、少し赤くなっていた。
そして、鋭い目でにやりと笑う。
「……俺の部屋に来てくれるってこと?」
俺の部屋。
まさかそんなセリフを聞くとは思わなくて、一気に顔が熱くなった。
「ばっ……事務所でに決まってるじゃないですか!」
「わかってるよ。意外に可愛いな」
い、意外にって何よ……。どうせ私は、可愛げのない女ですよ。
膨れていると、センター長は段ボールを持ち直し、先を歩いていってしまった。
その広い背中が、笑っているのか、少し震えていた。