ヒミツの空間
「もう少しだけここに……」
囁くような声が思考回路を麻痺させる。
信じ難い展開に、鼓動は速まるばかり。
「俺と二人じゃ、イヤ?」
――そうじゃない。
小さく首を横に振る。
「イヤだと言われても、出さないけど」
カチャリと締められた鍵。
鬼との約束を破った私たち。
その瞬間、誰にも邪魔されない二人だけの空間が出来上がった。
期待と不安の入り混じった、ぐちゃぐちゃの頭と心。
俊也くんは私を反転させると、自分へと向き直らせた。