ヒミツの空間
「ボケーっと突っ立ってたら、真っ先に見つかるぞ?」
「あ、うん……。でも、一人じゃ心細いから、早く掴まった方がいいかな、なんて」
「なら、俺と一緒にここに隠れてろよ」
「……うん」
ここは……?
改めて確認すると、私たちがいるのは滅多に入ることのない、狭い書類庫だった。
ほぼ使われなくなった紙ベースの書類やマニュアルたちが、所狭しと棚に並んでいる。
棚に入りきらなくて、ダンボールに入れられた書類もあって、それが床に高く積まれていた。
おかげで、“一緒に”と言ってもらったけれど、二人分のスペースすら危ういくらいだ。
私たちはドアのすぐ近くに、息のかかる距離で向かい合っていたのだった。