ヒミツの空間

「……ちょっと狭いね」

「だな」


見上げたすぐそばには、俊也くんの顔。

あまりの近さに恥ずかしくて、合った目を即座に逸らした。


同期の中でもリーダー的存在の俊也くんに、入社以来、密かな想いを募らせている私。

そのせいもあって、嫌でも緊張が膨らむ。



「――来たみたいだな」


同時に、しっ!と私の口元に向けられた俊也くんの人差し指。


ほんの一瞬だけ唇に触れた指先に、鼓動が一層跳ね上がる。


向き合った状態に耐え切れなくなった私は、外の様子を窺うフリをして俊也くんに背を向けた。


近づく鬼の足音。

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