明日ソラは翔けていく


あ、あの子…!!



俺は息を呑んだ


「では凛堂さん、テスト始めます。」


「はい!凛堂蒼空行きます!」



そう言って一気に助走をつけて


空高く駆け上がるように



バーに思い切り飛び上がった



その姿が綺麗で…


つい見とれてしまった


「渡邉?何してんの?」


?!


し、心臓に悪い…


「ほぉ、課題すかー…ん?あぁ、彼女ね入学式にスカウトされてすぐ陸部に入ったらしいぜ」


へぇ…


有名な人なのかな?


「これ見ろよ、中学生にして国体レベルの記録持つ美少女で有名なんだってよ」


「そっ…」


「興味ねぇの?さっきからグラウンド見てぼーっとして割に…「帰れ山中」


ダメだダメだダメだ


課題に集中するんだ!!


さっき目が合ったなんて口が裂けても言えねぇ…!

カリカリカリカリ…


課題を進める中


俺はどうしても彼女が気になってしまって何度も何度も窓から見下ろすように覗き込む


絶対に気付かれてる


そう確信しているが


彼女の駆け上がる姿が


見る度に天使に見えて


胸が踊る


なんでだ?


ほかの部員が…まるで平均以下に見えてしまう


いやいやそれは失礼だな、ごほん…




ふぅ…


課題も終わったし帰るか


そう思った時


ガラッ



「…えっ?」



「……」



俺の前に現れたのは



「君が…渡邉くん?」



グラウンドの天使だった



「あ、…はい…」


なにどもってんだよ!!


つか…声綺麗…


なんなんだよ!!!


このパーフェクトさは!!!


「…あのさ」



「は、はい!!!」


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