裏腹王子は目覚めのキスを

「ちょっと、フロント行ってくる」
 
おもむろに立ち上がった健太郎くんを見送ってから、わたしは携帯を取り出した。
 
翻訳アプリを使って、どうにかひとりで帰れないかな。
 
そう思って画面を見ると、桜太から新着メッセージが入っていた。

【そっち、どんな感じ?】
 
わたしは泣きたい気持ちをこらえながら、文字を打った。

【サプライズ結婚式だって……どうしよう】
 
こんなこと、桜太に言ったところでどうにもならないのに。

と、すぐに反応が返ってきた。

【は? なにそれどういうこと?】

【彼がウェディングプランに申し込んでて。このあと、ふたりだけで結婚式するって】
 
わたしが送信した瞬間、

「お待たせ」
 
健太郎くんが戻ってきて、慌てて携帯をしまった。

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