裏腹王子は目覚めのキスを
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思えば、健太郎くんは昔から、やることなすこと唐突だった。
考えている過程がすべて彼の頭の中にあって、表に出てくるのは揺るがしようのない結果だけだったのだから、当然といえば当然だ。
そうやって彼が考えてくれることに甘えて、わたしはあぐらをかいていたのかもしれない。
言われたことを、言われたままに受け止めて、疑問に思うことすらなかった。
もともとヒアリングが得意ではないわたしにとって、なまりの入った英語はもはや英語には聞こえない。
フロントで健太郎くんと別れた後、わたしを案内してくれた女性スタッフは、個室に入るなりあれやこれやと他の女性スタッフふたりに指示を出し始めた。
ヘアメイクも、ドレスを着るのも、ほとんどされるがまま。
ヘッドドレスはあるものの、ベールはせず、グローブもつけない。
純白の衣装は憧れのプリンセスラインではなく、すっきりとしたデザインのスレンダーラインだった。
健太郎くんの趣味なのか、それとも浜辺ではこれのほうが動きやすいのか……もう、よく分からない。