裏腹王子は目覚めのキスを
結婚する気がないって、今はその気はないってこと?
それとも一生独身でいるつもりってこと?
頭のなかに、赤だったり黄色だったり白ぶちだったり、様々な色形の疑問符が浮かび上がって重なり合っていく。
なんだかんだ言っても、王子様はいずれどこかの美しいお姫様と結婚して、家庭を築いていくのだと思っていた。
むしろ、それが人が生きていくうえで当然の流れなのだと思っていた。
トーゴくんなら、どんなお姫様だって簡単に手に入れられるだろうに、結婚をする気がない……?
「ていうか、結局、質問の答えになってないし……」
結婚を考えているような相手――つまりは付き合っている相手がいるのかどうか。
最初はそれを訊いたのに、うまいこと煙に巻かれてしまった。
ため息をひとつついて、わたしは茶碗に張りついたご飯粒を箸先でつまみ、口の中に放り込んだ。
本当は付き合ってる人、いるのかな?
いるならいる、いないならいないって、はっきり言えばいいのに。
一桁の計算問題よりも簡単なことなのに、トーゴくんが答えを言ってくれないせいで妙にやきもきしてしまう。