絶対零度の鍵

「馬鹿じゃないの?!」


憤りを顕にして、彼女は怒鳴った。


まじで、痛い。ひどいと思う。


頬を殴られたみたいだけど、それにしては僕は吹っ飛びすぎだと思う。


相手は女の子、なのに。


壁に叩き付けられて打った頭も、大分痛いし。


殴られた頬は、数秒経っただろう今でも、星をいくつか飛ばしている。


どうしてこんなツイてないんだ?

僕、なんかしたっけ?


「クミは大馬鹿だね!」


そしてこんな憐れな僕を、ここまで罵るこの人は一体。


鬼か。


鬼以外何者でもない。


ビリビリと痛む頬とガンガンする頭を抑えながら、僕は生まれてきたことを呪った。
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