OUT

「……え?」


竜はその言葉に、違和感を感じた。


「……あそこ…私、いってくる…」



竜が素早くネロの肩を掴んだ。



「……やめろ…あれは窓じゃない…」



二人は呆然と竜を見た。



「……え?…あれ…窓でしょ?…」



「……違うんだ…華菜もこれにハマった…あれは絵なんだよ……」


ネロはびっくりして、再びドアを見た。



永遠が呟いた。



「……そうか…窓があると…出口だと思って僕たちが行くことを利用して…」


「………さ…ここはアウトだ。はやく隣のドアにいこう…」


竜がドアの真ん前にいるネロをひっぱろうとした時だった。



―――ガコン!!!!!



ネロの真後ろの壁の一部分が、棒状になり、飛び出てきた。



その棒状の部分が、物凄いスピードで、ネロに襲い掛かる。




……無理矢理部屋に入れようとしている…?!



永遠は急いでネロの方へ走った。




「ネロぉお――――!!!!」



「……え…!?」





―――――ドカァ!!!!





鈍い音が、辺りに響いた。



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