OUT

永遠とネロは思い切って出っ張った長い壁を引っ張る。


竜は極寒の中、懸命に壁を押す。




動け…


動けぇ…!!!!



永遠は目尻に涙を滲ませ、歯を食いしばり、懸命棒状になった壁をひっぱりながら、竜を想った。








゙親父の敵を討つんだ゙






それを誇らしく言う竜が、凄くかっこよかった。


僕なんて、家族に一つも有り難い事…したことないのに…

なんで今まで感謝の気持ちを家族に伝えなかったんだろ…って…思えた。


竜の一言で、家族の大切さが、わかった気がしたんだ。



……なぁ…竜…



頼むから、無事でいてくれ…


ここから出てきて、また笑って僕達を支えてくれよ…。


「俺が死ぬと思うか?」って


余裕の表情を見せてくれよ……





永遠はまた、強く壁を引っ張った。








――……ズ……ズズ…




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