OUT

………………………
………………
………


゙かんざきとわ!!!゙


出会った頃は…、僕の名前をずっとフルネームで呼んでたっけ?

あの時は…その呼ばれ方が
ぎこちないというかさ…


あんまし、いい気がしなかったんだよな。


苗字の『神崎』と、名前の『永遠』って組み合わせ…なんかアニメキャラみたいな名前だったし。

……一言で終わらせたら、自分の名前が嫌いだった。


だけどさ、そんなどうでもいい事で拗ねてた僕に…尚が言ってくれたあの言葉…

あの言葉で……

自分の名前を初めて好きになれたんだ…。



゙永遠って名前さ、なんか綺麗で儚くて…だけど存在感はあるよな!!゙


尚にとっては、普通に流れで言った褒め言葉だったと思う。

…けどさ、

名前コンプレックスだった僕にとっては、最高の褒め言葉だったんだ…



………尚………


本当に…尚には感謝する事がいっぱいあるよ……。


僕の中で…1番の友達だった…。


こんな形で…


………お別れしたくなかった。


だけど……仕方ないんだよな?


……みんなの分も…生きなくちゃ。


……この国を脱出して…みんなの分も幸せになるんだ…!!!




永遠はやっと、涙で濡れている頬を袖で拭いた。




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