OUT
「…は…げほ…!!!」
―ブシュ…
千草が咳込んだ瞬間、銃で撃たれた傷口から、血が更に溢れでた。
走る道に、血が点々とついていく。
「……は…はぁ…すみません…足ひっぱっちゃって…」
何を言ってるんだ。
苦しそうな声で喋る千草の肩を、二人はゆっくり支えて走った。
そうする事によって、二人の着ている服に、真っ赤な血がついた。
「…菖蒲さん…ごめんなさい…ごめんなさい…」
真理和は泣きながら千草に謝りたおした。
千草は真理和の頭を震える手で撫でて言った。
「…弱気にならない…誰も無傷で脱出できるわけないでしょう?…貴方達は…謝らなくていいんです……」
真理和は大泣きしながら、俯いた。